シンポジウムに行きました

面白かった!とても!!
訪問診療をしているDrの話が
奥深く、なぜ、地域で見るのが難しいのか
どうすれば、地域で見る事ができるのか?
経験から語られる問題点や提案は
唸らせるものがありますね。

がんを地域で見るとはどういうことか?

それを考えるには、
在宅のがん患者が持つ
独特の問題について考えないとなりません。


たとえば、癌患者が在宅を希望したときには、
もう余命が一ヶ月をきっている事がほとんどであること、


そして、その亡くなる一ヶ月というのは
めまぐるしく病状が変化していくために、
家族がついていけず、自宅での介護が困難になりやすい時でもあります。


それをどう支えるか?
医師として出来る事のひとつに
介護保険の意見書への意見の書き方があるそうです。


たとえば、余命一ヶ月の癌の患者が在宅に戻ろうとするとき、
実はじぶんで歩けて、トイレもいけて、
着替えもできてと、介護度的には要支援2と要介護1の
境目あたりになることが多いのです。


しかし、その状態も1週間すると、トイレと着替えが精一杯にになり、活動性が低下します。
さらに1週間すると食欲も低下し、一日をベットで過ごすことが多くなります。
さらに1週間すると、ほとんど寝たきりになり、トイレも難しくなり、
テレビをみる元気もなくなります。


もちろん、上記の日常生活だけでなく、日々、その癌や転移に関係した症状
痛みや呼吸苦、倦怠感、嘔気など不快な症状に悩まされます。


自宅で見れなくなる原因のほとんどは
介護力の崩壊、限界だそうです。
要介護1で受けられるサービスはわずかです。
介護度の見直しはできますが、
残された時間があまり無い癌患者にとっては
非現実的なわけです。


なので、そのDrいわく、今後のADL,病態が急速に悪化していく事を明記し
余命が短いことも明記して意見書を出し、少しでも早く介護認定がおり、
少しでも多くのサービスが使えるそうにするそうです。


衝撃的だったのは、ある市で調査したところ
認定調査前に亡くなる人が50人ほどおり、
さらに、介護申請が降りる前になくなる人が
100人以上いること。


かなり衝撃的な数字であり、介護保険のあり方を考えさせられる例でした。
議長をしていた医師も、かなり衝撃を受けており、国が考えなくてはならないほど
大きな問題だと感じていたようです。



その数字をみて、多くの人が一時的にでも家に帰りたいと
望むのを日々みている看護師の私は、早い段階から在宅を視野にいれて
動かなくてならないという事を衝撃とともに思い知りました。


講演とパネルディスカッションだったのですが、
チーム医療というけれど、地域で見ていくときに大事なのは
まず、同職種の連携が大事ということでした。


病院の医師と訪問の医師
病院の看護師と訪問看護師(ケアマネ)
病院の薬剤師と地域の薬剤師


これらの同職種の情報交換がしっかりできれば、
訪問の医師と訪問看護と地域の薬剤師で
在宅の患者を支える事が可能になると


講演をしたDrは言ってました。
いまはまだ、この同職種の連携が不十分であるがゆえに
患者さんが辛い思いをすることが多くなかなか
地域で見ていくことが難しいようです。



3時間かかりましたが、聞いてよかったなぁって思うものでした。
明日からの活力にできる内容でした。